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すごーく長い2週間(稚内~留萌)



7月3日(稚内~抜海)
曇り。稚内市内を11時ころ出発。今日の出発は昨日の疲れが中々とれず、ちょっと遅め。これから向かうサロベツ原野に備え、スーパーで食糧を調達。パンを朝ごはんに買ったら、コロッケパン2個、カレーパン2個、クロワッサン1個で350円。安い!途中立ち寄ったセイコーマートで、「新聞を読んで見かけたので来るの待ってたんです~」と明るい声。お名前を聞くと堀田さんという方で、ヴィダインゼリーを差し入れしてくれた。セイコーマートの店長もそのやりとりを見てか、栄養ドリンクをくれた^^昨日の疲れが吹き飛ぶ瞬間。それから夕日ヶ丘まで登って一休み。すると先ほどの堀田さんがいるじゃないですか!今度はバナナを持って。「あまりにも素敵なので追っかけて来ちゃいましたぁ」とまたまた弾けるような笑顔で迎えてくれた。堀田さんありがとう!途中で車からご夫婦が降りて来た。私たちの新聞の切り抜きを持って、「サインして!」とのこと。「新聞でこのこと聞いて涙でたよ」と涙ぐむ札幌の高橋さん。そんなに感動してくれるなんて、私たちもとっても嬉しかった。そして抜海までまた一歩。何が辛いって、町は見えるのに、歩いても歩いても着かない。。かれこれ5時間は歩いてるのに抜海遠いよ~。町まであと3キロってとこでついにダウン。でも今日も一日良く頑張った。うん。今日はポンゴと一緒にスープパスタを作って早めに就寝。明日は晴れるといいなぁ。

7月4日(抜海~こうほねの家)
テントにぽたぽたと雨が落ちる音。小雨。そういえば北海道に来てから晴れの日がない。濡れたテントをしまうのかと思うとブルー・・起き上がりたくないなぁ。しばらくテントの中でうだうだと過ごしてたら雨の音が止んだ。今のうちに!と起き上がりテントをしまう。ちょっとすると晴れ間が見えてきた。今日はやっと青空が見れるかな?11時半からノースウェーブというラジオ局で生電話をするので、まずは抜海までゆっくりと歩きはじめた。抜海に到着し、早めのお昼を食べながらラジオ局からの電話を待つ。11時半―リリリーン―ほんとにかかってきた!「タンさんですかー?」「はい」「この音楽の後にDJが呼びかけるのでそれから質問に答えて下さいねー」「は、はい」ラジオの音楽が流れる間、ミックは隣で曲に合わせて踊ってる。自分は受け答えしないから呑気なもんだ!

「こんにちはー」DJが呼びかけてきた。DJのまず一言目は、この旅を計画してから言われ続けた言葉。「なんでこんなバカなこと始めたんですかぁ!?」この質問にいったい何回答えたかなぁ^^;「みんな出来っこないと思ってるからです。絶対出来ないと言われ続けて、出来たらすごいじゃないですか」ちなみにこの旅を始めたきっかけは、ミックの学校の生徒が絶滅の危機にあるオランウータンの問題に対して何が出来る?という問いに「何も出来ない」と言われたこと。問題が大きすぎて出来ない、日本で起こっていることじゃないから出来ない。そう思っている子供たちはたくさんいることに気づいたから、じゃあ私たちも、みんなが出来ないと思っていることにチャレンジしよう!と決めて、もし達成出来たら子供たちにも希望を与えられるんじゃないかと思った。
生ラジオが終わり、さぁ歩き始めようと思ったらおまわりさんに声をかけられた。若いおまわりさんと、日焼けした顔が印象的なベテラン風おまわりさん(湊川さん)。地図を出して私たちが行くルートの様子を教えてくれた。北海道はおまわりさんも親切だ^^今度こそ、次の目的地、サロベツ原野のパーキングに向かって進む。初めて歩道がない道をあるいた。車がすぐそばを通り抜けて怖い。。ミックは車が来るたびに「くるま―!」と叫んで教えてくれた。今日はスタートが遅かったからか、足の疲労が早くきた。8キロ位のところでどうしようもなく足が痛くなった。私達の竹馬は、足場にストラップとゴムをひっかけるようになっているので、一度下におりると壁やガードレールなど体をささえるところがないともう一度上がれない。なのでミックは次のガードレールまで頑張れ!を私を励ます。でも私の足は一歩一歩針を突き刺すように痛む。
みき「もうだめ、降りる」
ミック「次のガードレールまであと100mだよ!頑張れ!」
みき「・・・」
ミック「頑張れ~頑張れ~みき頑張れ~♪♪」と歌いだす。
みき「・・・」
ミック「見て!利尻島が見えるよ!」私の興味をそらすように違う話題を振る。
みき「・・・」
ミックが頑張って励ましてくれるのは分かるのだけど、どうしても足が痛くて、歌ってくれる歌も振られる話題を聞くのもイライラする。てゆうか答えるだけの元気がない。そんなやりとりをしてるうちになんとか目的地の「こうほねの家」まで辿り着いた!ミック、励ましてくれたのに無視してごめんね^^;
今日のごはんはカレー。美しいサロベツ原野の海を見ながら久し振りにのんびりと食事。そういえば青空が見えてきた。

7月5日(こうほねの家~稚咲内)

曇り。今日の目的地は稚咲内。でもそこまで22kmと一日目標の15kmを大幅に上回る距離。でもこうほねの家から稚咲内まで何もないので行くしかない!と意を決して出発。途中でフリースクールの先生だったという女性と会った。私たちのことを新聞で見て、「会えればいいな~と思ってたの!」と言ってくれた^^旦那さんも一緒に来て、「これからも頑張って」と寄付を頂戴する。思いがけなかったのでとても嬉しい。今日は始めてから一番辛い行脚だけれど、このご夫婦のためにも頑張ろうと思った。ありがとうございます!11km地点でお昼。まだ半分か~。。今まで来た距離をさらに歩くと考えると気が遠くなりそう。でも稚咲内まで行かないとトイレないし、頑張らなきゃ。15km、足が痛くて死にそう。まだ7kmもあるよ。。本当につけるのかな~と不安が頭をよぎったけどそれでも少し休んでまた歩き始める。ただひたすらあの標識まで、あの曲がり角まで、そう思って進んできたらいつの間にか20kmまで来た!ここからは、残念ながら私の足ではもう無理だったので2km位普通に歩いてしまった。ミックは最後まで歩ききった。すごい!そしてやっと稚咲内まで辿り着いた!くたくたに疲れて、早々にテントを張ってご飯作って就寝。今日はぐっすり寝られそう^^ 深夜12時、「お休みのところすみませ~ん。警察の者ですけど~」とテントの外から声がする。ミックが飛び起きた。
私は寝ボケまなこで「はい~?」
「この辺ね、熊でるのよ。だから気をつけてね。」寝ぼけていた頭が一気に冷めた。
「え!?」絶句。
「いや~ここは手つかずの自然が残ってるから、昨日も1キロ先を熊が横断してるの目撃されてるのね~。ま、大丈夫だと思うけど、一応気をつけておいてね」
ミックも私も青ざめた。気をつけてと言われてもどうやって?それから朝が来るまで、とりあえず熊鈴を肌身離さず一晩過ごした。22km必死に歩いてきて夜は寝ずの晩をすることになるとは。今まで生きてきた中で一番長い夜だった。。

7月6日(稚咲内~天塩)
曇り。昨日の夜の熊騒動で、サロベツ原野でもう一泊キャンプという案は消えた。ということで今日は次の町、天塩まで25キロ、一気にいってしまおうということに。昨日の22キロでも相当手こずったけど、今日はその倍くらい辛かった。とにかく風が強いし歩道がなくて常に車に気を使って歩いて行かなくてはいけない。もう嫌、なんでこんなこと始めちゃったんだろう?と思いだしたころ、自転車で名古屋から縦断しているという石川君に会った。とにかく明るい人で、「竹馬すげ~!頑張って下さい!」とあんドーナツを分けてくれた。石川君と話しているうちになんとなく元気になった^^帰ったら子供が生まれるという石川君、元気を分けてくれてありがとう~☆きっといいお父さんになるよ!それからとにかくひたすら歩いたら天塩川が見えてきた。天塩川にかかる橋を渡り切るまで死ぬほど長かった。とまあ、こんな感じでとにかく長く辛い竹馬ウォーキングが続いたけれど、とにかく着いた!着いたところで地元の女性の人に声をかけられ話していたら、これから泊まる民宿まで車で送ってくれるというのでお言葉に甘えることに^^バナナまで頂いて、美味しいお食事処も教えてもらった。なんていい人!天塩までこれて本当に良かった!民宿についてとにかくお風呂。長い長い旅の後のお風呂はたとえ狭くても最高!お風呂ってこうやって楽しむんだなぁと改めてお風呂のすばらしさを思いしった。それからお食事処、「くわむら」へ。きさくな奥さんに「もしかして竹馬の人?」と聞かれた。竹馬持ってないのに分かるなんてすごい!国際カップルだから分かりやすいのかな?ミックはスペシャルとんかつ定食、私はかつ丼定食を頼む。お値段が手頃なのにすごいボリュームでそのうえ美味しい!千葉にあったら毎週食べに行くな~。天塩の名物はしじみ汁と聞いて、
奥さんにしじみ汁があるか聞いたら、「メニューにはないけどご馳走しますね」とお椀にいっぱいのしじみ汁を持って来てくれた。初めて食べたけど、薄味ですごくいい味。ミックは貝類はあまり好んで食べないのだけど、しじみ汁はごくごく飲んでた^^すっかり満腹になってお会計をしようとした頃、ご主人とも話す機会に恵まれた。聞くと、ご主人は40年程前に船と汽車でロシアからヨーロッパに行き、自転車でヨーロッパを旅したとか。そんな話を聞いたら、ミックの目がみるみる輝いてきた。今日はもう遅いので「明日また来ます!」と満面の笑顔でお別れ^^しじみ汁と飲み物をサービスして頂きました。くわむらのご主人と奥さん、美味しいお料理ありがとうございました!

7月7日(天塩で休日)
北海道に来て初めての快晴!今日は天塩を観光しようということで、朝から自転車を借りて町を探索。自然を愛する人にとって天塩は最高の町だといって間違いないと思う。北海道で2番目に大きい天塩川が町を囲んでいて、カヌーがさかんらしく、川のところどころにカヌー乗り場が設置されていた。川のほとりの公園は芝生一面が奇麗に敷かれている。その先には広々とした日本海が見える。町には美味しい食事処、カフェ、パンが安いコンビニ、スーパー、公園、温泉、生活に必要なものはすべて揃っている。お昼にお洒落なカフェ「あげいん」に入ってみた。中ではママと地元のご婦人が話しているところだった。私は天塩の名物、たこキムチ丼を、ミックはカレーをオーダーした。するとこれがまた美味しい!北海道に来てから美味しい話ばかりしている様な気がするけど、本当に美味しいんだからしょうがない^^;ママに旅先で必要だろうからとお店のタオルを頂いた!居心地が良くてすっかり長居してしまった。こんなにゆっくりしたの久しぶりだな☆自転車で天塩川の方まで行くと、強面のトラックの運ちゃんから「今日は竹馬じゃないの?」と通りがかりに声をかけられた。「今日はお休みなんです~」と返すと、「そっか。ま、頑張ってね。ばいばーい」と爽やかに去っていった。それから夕映温泉で温泉につかったあと、夕日を見に海辺に行った。夕日を見るために何日も滞在する人がいると言うだけあって、その夕日は絶景だった。ちょっと雲がかかって利尻島は見えなかったけど、海に太陽の光が反射して水面が照らされている様子は一枚の絵みたいだった。こんな夕日を毎日みれる天塩の人がうらやましいな。
夜はまたまた「くわむら」へ!ミックは我慢できず昨日と同じ、スペシャルとんかつを、私はショウガ焼き定食を頼んだ。これまた最高!今日は地元の人で賑わっていてとても忙しそう。こんないいお食事処で地元の仲間とわいわい食事するのは楽しいだろうなぁと思った。ミックが朝から100回くらい「天塩に住まない!?」と聞いてくるのも頷ける。私も夏だけならいいかな~なんて考え始めたり。。今日はご主人のヨーロッパ旅行の話やアメリカにいたときの話を聞くことが出来た。もともとはカメラマンになりたくてお皿洗いをしながら世界を旅してたらしい。私たちとしてはご主人がカメラマンではなく「くわむら」のご主人でいてくれてラッキーだったのですが^^40年前のヨーロッパの写真、ぜひ見たかったなぁ。今日の食事は、ご主人と奥さんからサービスということでご馳走になりました。「これぐらいしか助けてあげられないから」と奥さん。二人の優しさにただただ感謝です。ミックは帰る時涙ぐんでました。(笑)やっぱり天塩いいな~。

7月8日(天塩~遠別)
曇り。昨日の夢のような一日とはうって代わって今日も辛い竹馬行脚が始まった。今日の目的地は18キロ程先の遠別町。道路はずっと一本道で周りは農場ばかり。しかも道路が舗装されていなくて歩きにくい。今までで一番つまらない道のりだった。しかも途中から大雨になり、雨具を着ていても濡れる始末。休憩場所はたまにあるバス停。北海道のバス停は雨風をしのげる小屋みたいなものになっていてとても有難いのだけど、中にはでっかいクモがうようよしていてゆっくり休む気にならない。。(余談だけど、私の姉はゴキブリも毛虫もへとも思わない誰もが認めるパワフル姉ちゃんだけど、クモだけは大の苦手である。姉にはこの旅は出来ないだろうなぁと思った。)ミックはそれでも歌を歌ったり、今日着いたら美味しいごはんを食べようとか、なんとかポジティブにいようと頑張っていたが、途中で竹馬の足場を止めているワイヤーが切れてミックも切れた。きっと今日は昨日よりも楽だろうといつも言い聞かせるけど、昨日よりも楽だと感じる日は一度もない。今日も豪雨の中何度も挫けそうになりながらやっとのことで18キロの道のりを終えた。疲れ果てた二人を救ってくれた今日のヒロインは福井館の女将さん。フラッと立ち寄って素泊まりで泊まれるか聞くと「お食事はお済ですか?よろしければミートソース位しかございませんが、ご用意致しますよ」とのこと。なんてありがたい!レストランを探さなくて済むししかも安い!ぜひとお願いして、とりあえずお風呂に入った。部屋でゆっくりしていると、ご飯の支度ができた様子。ご飯を見てびっくり!ミートソースだけかと思いきや、焼き肉にウナギにホタテ、デザートのスイカまであるじゃない!女将さんは仕切りに「いらっしゃると知っていればカニでもご用意できたのですが、こんなものしかなくてすみません。」と言うが、こんな豪華な料理かえって申し訳ないと恐縮してしまった。お味も本当に美味しい!歩けないくらいお腹一杯になり大満足。いきなり現れた旅人にすばらしいサービスをしてくれて本当にありがとう女将さん!夜、トイレに起きて下まで行ったら電気がついていなくて、コンタクトもしていなかったので手探りでトイレのドアを探すと、トイレの前に何かがぬぼーっと立っていた。「!!?」幽霊かと思ってびっくりして声も出なかった。よくみるとそれはトイレから出て車イスに乗ろうとしているおじいちゃんだった。おじいちゃんもいきなり私が向かって来たからびっくりした様だった。おじいちゃん驚かしちゃってごめんね^^;部屋に戻ったら、アイポットを聞きながら寝ていたミックが、寝てるのに笑顔でリズムをとっていた。妙に安心した。

7月9日(遠別~初山別)
曇り。朝ごはんに下に降りると、これまた素晴らしい朝食が用意されていた。女将さん手作りの厚焼き玉子と煮豆は、遠別の名産として札幌の東急デパートにも卸しているのだとか。見た目も素晴らしいが味も本当に素晴らしい。しかも遠別から初山別までは何もないからとお弁当まで用意してくれた。福井館は40年以上やっているそうで、見た目は古くおトイレもぼっとん便所だけど、女将さんの人柄と美味しい料理に惹かれてもう一度来たいと思わせるんだろうなぁと思った。私達も遠別への長い道のりを一瞬にして忘れさせてくれた可愛らしい女将さんに会いに、必ず戻って来よう。別れ間際に私たちの旅の目的を話すと、それなら私も、と寄付をくれた。やさしい女将さんのお気持ちに感謝しても感謝しきれない。このときの気持ちをこれからもずっと忘れないで頑張ろうと思う。
途中黄色い花が一面に咲いている風景を発見。近くで見るとその花はタンポポだった。ただの雑草なのに集まるとこんなに綺麗になるから不思議。初山別までの道はとにかくアップダウンが多かった。ミックは先を心配して早く進もうとせかす。疲れてるんだからもう少し休ませてほしいと愚痴をこぼす。また山かよ~とどこにもぶつけようのない怒りが込み上げてきた。とにかくイライラしながらずっと歩いた。あと1キロってとこで足がズキズキ痛むので休んでいたら、地元のおじいちゃんに声をかけられた。どこから来たとか、息子が千葉にいるとか、この辺に熊は出るのかとかたわいのない話を10分位した。不思議とこのおじいちゃんと話していたらとげとげしていた気持ちが次第に穏やかになった。控え目で、千葉に行った息子の話を優しい目でお話しするおじいちゃんの気持ちが私にも移ったようだ。今までむかむかしていたミックへの気持ちが反省に変わった。ミックは私たちのことを考えた上でペース配分しただけだったのにあんな態度するべきじゃなかった。てゆうか、この旅が始まってからというもの私はひたすら自分だけにフォーカスしていて、こんなに辛い旅をしてるんだからもう少し私に気を使ってよ!みたいな横柄な気持ちでいたように思う。辛いのはミックも同じなのになんとか私の気持ちを盛り上げようとしてくれてたのに。。明日からは常に元気、とはいかないまでも、なんでもネガティブに考えるのはやめようと反省。目的地の初山別のキャンプ場に着いた。海が目の前に広がっていてとても綺麗なキャンプ場だった。しかも隣に温泉もあるし最高!今日の疲れをとって明日も一日がんばるぞ。

7月10日(初山別)
雨。ぽたぽたと雨がテントに落ちる音がする。今日も雨。。朝から気が滅入った。この間大雨のなか歩いて竹馬がダメージを受けたので、雨の日に歩くのは止めようと決めた。今日はどうやら一日雨のようなので、このままここにステイすることに。テントで本を読んでいるとテントの中にまで雨が落ちてきた。寒いし濡れるし最悪。。お昼ころに我慢出来なくなり、隣の温泉に行くことに。休憩所があるので今日は一日ここで過ごそう。本を読んだり日記を書いたり温泉に入ったり、結構ゆっくりできてかえって良かったかも。一日休んでしまったので、明日は今日の分も歩くということにした。また25キロ。がんばろ。。

7月11日(初山別~羽幌)
曇り。今日は地獄の25キロ。一昨日の反省を振り返り、今日はポジティブに行くぞ!時間管理は私が行うということで時計を預けられた。少なくとも10キロは午前中に終わらせねば!とりあえず30分はどんなに辛くても歩き続けるということを心に誓い出発。疲れたな~もう10分位経ったかな~と思いちらっと時計をみるとまだ3分位しかたってない。あれぇまだこれしか経ってないの!?時計を持たずに歩いていた時は、いったい自分がどれ位歩いたか検討がつかず、きっともう40分位歩いたよなぁとか思ってたらミックにまだ20分しか歩いてないと言われ、「そんなはずない、きっとミックは私にカツを入れようとしてそう言ってるんだ!」とか勝手に思っていたが、どうやら本当だったみたい^^;なので自分で時間を管理してみて今までのペースがいかに遅かったか良く分かった。不思議と30分という目標があるとなんとか頑張ろうという意欲が湧いてきて、かなり順調に15キロ地点まで来た。ちょうどテーブルとイスを見つけたのでお昼ご飯を食べようと思ったら兄から電話がかかってきた。実家にいて私の両親とも話すことが出来た。久し振りに明るい声を聞いて安心した^^余談だけど、私の家族はとても仲がいいけどかなりあっさりしている。だから私が1年間オーストラリアに行っていた時も、向こうから電話をかけてきたことは一度もなく(私の誕生日にも電話がなくミックのママに心配されたほどだ^^;)メールも数える位しかやりとりをしなかった。でも今回の竹馬旅行に関しては、ブログもチェックしてるようだしメールも頻繁に来る。やっぱりかなり無謀な旅だから心配なのかな~。便りがないのは元気な証拠というけど、今回ばっかりは途中で熊に襲われてるかもしれないもんね。あまり無理しないように気を付けます!あと5キロ位のところでお母さんと高校生の子供達が来て、「新聞で見て、子どもたちにも見せてあげたくて~」と車から降りて来てくれた。とっても素直で礼儀正しい男の子2人で、こんな子達が北海道にはたくさんいるんだなと感心した。お母さんが差し入れにタイ焼きをくれた!そしてしばらく歩くと今度はおばあちゃんと小さな女の子が声をかけてきた。「これどうぞ」と女の子が飴を沢山くれた。3日前に遠別町で会った人も、私たちを見かけてお茶を持って来てくれた。ありがたいなぁ。そして6時ぴったりにとうとう羽幌に着いた!いつもよりも大分歩いたけど、疲労感より満足感の方が強かった。羽幌の道の駅に行き、温泉につかった。今日はいい一日だった^^サンセットビーチのステージの上にテントを張って寝る。今日は初めて北海道の星が満天に見えた。

7月12日
快晴!今日は利尻島がばっちり見えて気持ちのいい朝だった。朝ごはんを食べてそれから海鳥センターに行って天売島の海鳥のことを少しだけ知ることが出来た。天売島にはたくさんの海鳥がやってくるが、その中には絶滅を危惧されている海鳥もたくさんいるのだとか。サロベツ原野からずっと歩いて来る間、ワシや渡り鳥やウミネコ、色んな鳥を見ることが出来たが、この光景がいつか見られなくなるのかもしれないと思うとやっぱり今人間に出来ることをしなくてはいけないと思った。北海道の人たちは細かいゴミの分別や、風力発電、太陽発電を利用したり、プラスチックバックの有料化を徹底するなど、特に環境に気を配っている様子があちらこちらで見られた。自然と一緒に生きるという心がここには残っているんだと思った。それから、苫前町まで約7キロ。途中で車が止まったかと思うと、女の子が2人降りてきた。「新聞で見て会いたかったんです~」と。私たちの記事を見てとっても勇気づけられた、と話してくれたチエコさん。私たちこそそういう言葉に支えられてこの旅を続けていられるのだと思う。ありがとう!
今日は珍しくお天気で、夕日が天売島と焼尻島の間に落ちる様子をみることが出来た。北海道、やっぱり最高!

7月13日(羽幌~鬼鹿)
雨。またしても雨。北海道に梅雨がないと言ったのは誰?!今日は休むわけには行かないので、竹馬をサランラップで巻いて木の部分はガムテープで覆い雨対策。歩いている途中で7月4日に出たラジオ、ノースウェーブのスタッフの人に偶然会った。そういえば、今までは「新聞見ました!」という人が多かったけど、この辺あたりから「ラジオ聞きましたよ!」っていう人が増えて来た。メディアの力は本当にすごいな。しばらく歩くと雨がどんどん大降りになってきた。今日は旅始って以来最悪の天候だ~とりあえずバス停で雨が止むの待とうと雨宿りをしていた。ミックがここはどこかとサインを探しに行った。なんだかミック誰かと話している声がするけど、雨が降っているし疲れているしで腰を上げる気にもならない。するとバス停に、おじいちゃん、おばあちゃんと若いお兄さんがやってきた。「新聞で見ていつくるかと思ってたんだよ。こんな雨の中大変でしょう」と朗らかな笑顔。ちょっと元気が出た。「今ちょうどウニ洗ってるんだよ。来る?」とおばあちゃん。興味をひかれおばあちゃんとお兄さんの行くほうへ着いていった。今日の朝取ってきたばかりのウニを割って洗ったものがこんもりとある。「こっちがバフンウニであっちがムラサキウニだよ。食べてみなさい。」と手にとってくれた。ウニが大好物な私には夢みたい!これほど新鮮なウニを食べれるチャンスは二度とない!取れたてのウニの美味しさは言葉では表すことが出来ない。「ウニ丼がずっと食べたかったから新鮮なウニが食べれて本当に嬉しい!」と言うと、おばあちゃんが「じゃあウニ丼食べさせてやるかね。」とごはんを持って来てくれた。おじいちゃんが朝早くから一生懸命とってきて、おばあちゃんがひたすら割って洗った貴重なウニを惜しげなく見ず知らずの私たちにくれるなんて。。2人の心の大きさに、雨ぐらいでイライラしていた自分がなんだか恥ずかしくなった。美味しいウニをたくさん食べさせてくれて本当にありがとう!それから雨がやまないのでお家に泊まらせて頂くことになった。先ほどのお兄さんが私たちが泊まることをしって、取れたてのミル貝とホタテを持って来てくれた。(ここのお家の人ではなく近所のお兄さんだった)お兄さんとの話の中で、「冬の間は何をするんですか?」と聞くと、「雪投げ」と言われた。ふぅん雪合戦か~厳しい冬でも外に出て元気なんだなぁと思って聞いていたらなんか違うみたい。「あれ?雪投げって雪合戦のことじゃないの?」と聞くと「違う違う、雪かきだよ」と。なぁんだ、そうだよね、大変な北海道の冬に雪合戦なんてするわけないよね^^:お気楽な私の頭の中がバレてしまった‥。夜ごはんは取れたてのホタテ、貝、お魚!こんなに新鮮な海の幸は今まで食べたことない!この味、一生忘れません。そして夜はおじいちゃんが漁の話を聞かせてくれた。タコ採りの道具を見せてくれたり、ノットの結び方を教えてくれたり。私もミックも子供に戻ったみたいに話し込んでしまった。少年のような笑顔のおじいちゃん、面白くて優しいおばあちゃん、思いやりがあってまっすぐなお兄さん、最高の一日をありがとう!

7月14日(鬼鹿~小平)
曇り。朝ごはんをおばあちゃんが持って来てくれた。居心地が良すぎて中々旅立つことが出来ない。でも昨日の分も今日は歩かなくては。後ろ髪ひかれながら7時ころに出発。歩き出して7キロほどすると町のおばあちゃんから「写真とっていい?」と声をかけられた。竹馬をおりて少しおしゃべりをしていると、「うちで休んできなさい」と言ってくれた。上がってコーヒーを頂いた。あったかいコーヒーを久し振りに飲んで、コーヒーの香りが世界で一番好きだなぁと思った。千葉に3人のお子さんがいるというとっても元気で明るいおばあちゃんだった。ウニおにぎりを握ってくれるというのでお部屋で待たせてもらう間、カレンダーを見ると、6日と22日に「ゆったりかん」と書いてある。なんだろう?それから土日に「ファイタース」と書いてある。野球好きなんだ^^ウニおにぎりを持たせてくれて、元気に見送られながらまた出発。今日は15キロ位と思っていたのだけど、まだ目的地に着かない。もうだめ。くたくた。と思っていたら「ゆったりかん」と書いてある看板が見えてきた。ん?ゆったりかんって。。あ~あのおばあちゃんがカレンダーに書いてあったやつ!何だろうと良く見てみると、お風呂みたい。ちょうど私たちの目的地もその辺だったので、あと5キロというサインに向かって歩いた。そして着いた!ゆったりかん。ここのスタッフの人にあのおばあちゃんの話をしたら、「知ってますそのおばあちゃん!」とのこと。スタッフの男性の方からお茶を頂いた。疲れているところにゆったりかんの人の優しいおもてなし、嬉しかった^^今日のキャンプ場はというと丘の上。せっかくお風呂入ったのに20分程山を登らなくては行けないので辛かった。。しかもガスストーブでご飯を炊こうと思ったらストーブが壊れててつかない!あの山をまた下りる気力はなかったので腹ぺこのまま就寝。(涙)明日は雨ということで今日はバンガローを借りた。

7月15日(小平)
雨。バンガロー借りてよかった。今日は一日ここで休むことに。ミックも私も体中疲労してるのでちょうど良かった。スーパーまで買い物に行って帰る途中、また大雨に降られてびちょびちょ。2人ともすっかり不機嫌になり、お風呂に入ろうとゆったりかんへ行くと昨日のスタッフの方が来て、「今日は私たちからサービスです。ゆっくりお風呂に入って下さい」と入浴券とタオルをくれた。なんて優しいんだろう!この旅では本当にいろんな人に優しさをもらってるから続けていられるんだと思う。そのことを毎日忘れないでいようと思う。

posted by Mick and Miki Tan @ 0:14,

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