すごーく長い2週間(稚内~留萌)
2009年7月15日水曜日
7月3日(稚内~抜海)
曇り。稚内市内を11時ころ出発。今日の出発は昨日の疲れが中々とれず、ちょっと遅め。これから向かうサロベツ原野に備え、スーパーで食糧を調達。パンを朝ごはんに買ったら、コロッケパン2個、カレーパン2個、クロワッサン1個で350円。安い!途中立ち寄ったセイコーマートで、「新聞を読んで見かけたので来るの待ってたんです~」と明るい声。お名前を聞くと堀田さんという方で、ヴィダインゼリーを差し入れしてくれた。セイコーマートの店長もそのやりとりを見てか、栄養ドリンクをくれた^^昨日の疲れが吹き飛ぶ瞬間。それから夕日ヶ丘まで登って一休み。すると先ほどの堀田さんがいるじゃないですか!今度はバナナを持って。「あまりにも素敵なので追っかけて来ちゃいましたぁ」とまたまた弾けるような笑顔で迎えてくれた。堀田さんありがとう!途中で車からご夫婦が降りて来た。私たちの新聞の切り抜きを持って、「サインして!」とのこと。「新聞でこのこと聞いて涙でたよ」と涙ぐむ札幌の高橋さん。そんなに感動してくれるなんて、私たちもとっても嬉しかった。そして抜海までまた一歩。何が辛いって、町は見えるのに、歩いても歩いても着かない。。かれこれ5時間は歩いてるのに抜海遠いよ~。町まであと3キロってとこでついにダウン。でも今日も一日良く頑張った。うん。今日はポンゴと一緒にスープパスタを作って早めに就寝。明日は晴れるといいなぁ。
7月4日(抜海~こうほねの家)
テントにぽたぽたと雨が落ちる音。小雨。そういえば北海道に来てから晴れの日がない。濡れたテントをしまうのかと思うとブルー・・起き上がりたくないなぁ。しばらくテントの中でうだうだと過ごしてたら雨の音が止んだ。今のうちに!と起き上がりテントをしまう。ちょっとすると晴れ間が見えてきた。今日はやっと青空が見れるかな?11時半からノースウェーブというラジオ局で生電話をするので、まずは抜海までゆっくりと歩きはじめた。抜海に到着し、早めのお昼を食べながらラジオ局からの電話を待つ。11時半―リリリーン―ほんとにかかってきた!「タンさんですかー?」「はい」「この音楽の後にDJが呼びかけるのでそれから質問に答えて下さいねー」「は、はい」ラジオの音楽が流れる間、ミックは隣で曲に合わせて踊ってる。自分は受け答えしないから呑気なもんだ!
「こんに
生ラジオが終わり、さぁ歩き始めようと思ったらおまわりさんに声をかけられた。若いおまわりさんと、日焼けした顔が印象的なベテラン風おまわりさん(湊川さん)。地図を出して私たちが行くルートの様子を教えてくれた。北海道はおまわりさんも親切だ^^今度こそ、次の目的地、サロベツ原野のパーキングに向かって進む。初めて歩道がない道をあるいた。車がすぐそばを通り抜けて怖い。。ミックは車が来るたびに「くるま―!」と叫んで教えてくれた。今日はスタートが遅かったからか、足の疲労が早くきた。8キロ位のところでどうしようもなく足が痛くなった。私達の竹馬は、足場にストラップとゴムをひっかけるようになっているので、一度下におりると壁やガードレールなど体をささえるところがないともう一度上がれない。なのでミックは次のガードレールまで頑張れ!を私を励ます。でも私の足は一歩一歩針を突き刺すように痛む。
みき「もうだめ、降りる」
ミック「次のガードレールまであと100mだよ!頑張れ!」
みき「・・・」
ミック「頑張れ~頑張れ~みき頑張れ~♪♪」と歌いだす。
みき「・・・」
ミック「見て!利尻島が見えるよ!」私の興味をそらすように違う話題を振る。
みき「・・・」
ミックが頑張って励ましてくれるのは分かるのだけど、どうしても足が痛くて、歌ってくれる歌も振られる話題を聞くのもイライラする。てゆうか答えるだけの元気がない。そんなやりとりをしてるうちになんとか目的地の「こうほねの家」まで辿り着いた!ミック、励ましてくれたのに無視してごめんね^^;
今日のごはんはカレー。美しいサロベツ原野の海を見ながら久し振りにのんびりと食事。そういえば青空が見えてきた。
7月5日(こうほねの家~稚咲内)
曇り。今日の目的地は稚咲内。でもそこまで22kmと一日目標の15kmを大幅に上回る距離。でもこうほねの家から稚咲内まで何もないので行くしかない!と意を決して出発。途中でフリースクールの先生だったという女性と会った。私たちのことを新聞で見て、「会えればいいな~と思ってたの!」と言
私は寝ボケまなこで「はい~?」
「この辺ね、熊でるのよ。だから気をつけてね。」寝ぼけていた頭が一気に冷めた。
「え!?」絶句。
「いや~ここは手つかずの自然が残ってるから、昨日も1キロ先を熊が横断してるの目撃されてるのね~。ま、大丈夫だと思うけど、一応気をつけておいてね」
ミックも私も青ざめた。気をつけてと言われてもどうやって?それから朝が来るまで、とりあえず熊鈴を肌身離さず一晩過ごした。22km必死に歩いてきて夜は寝ずの晩をすることになるとは。今まで生きてきた中で一番長い夜だった。。
7月6日(稚咲内~天塩)
曇り。昨日の夜の熊騒動で、サロベツ原野でもう一泊キャンプという案は消えた。ということで今日は次の町、天塩まで25キロ、一気にいってしまおうということに。昨日の22キロでも相当手こずったけど、今日はその倍くらい辛かった。とにかく風が強いし歩道がなくて常に車に気を使って歩いて行かなくてはいけない。もう嫌、なんでこんなこと始めちゃったんだろう?と思いだしたころ、自転車で名古屋から縦断しているという石川君に会った。とにかく明るい人で、「竹馬すげ~!頑張って下さい!」とあんドーナツを分けてくれた。石川君と話しているうちになんとなく元気になった^^帰ったら子供が生まれるという石川君、元気を分けてくれてありがとう~☆きっといいお父さんになるよ!それからとにかくひたすら歩いたら天塩川が見えてきた。天塩川にかかる橋を渡り切るまで死ぬほど長かった。とまあ、こんな感じでとにかく長く辛い竹馬ウォーキングが続いたけれど、とにかく着いた!着いたところで地元の女性の人に声をかけられ話していたら、これから泊まる民宿まで車で送ってくれるというのでお言葉に甘えることに^^バナナまで頂いて、美味しいお食事処も教えてもらった。なんていい人!天塩までこれて本当に良かった!民宿についてとにかくお風呂。長い長い旅の後のお風呂はたとえ狭くても最高!お風呂ってこうやって楽しむんだなぁと改めてお風呂のすばらしさを思いしった。それからお食事処、「くわむら」へ。きさくな奥さんに「もしかして竹馬の人?」と聞かれた。竹馬持ってないのに分かるなんてすごい!国際カップルだから分かりやすいのかな?ミックはスペシャルとんかつ定食、私はかつ丼定食を頼む。お値段が手頃なのにすごいボリュームでそのうえ美味しい!千葉にあったら毎週食べに行くな~。天塩の名物はしじみ汁と聞いて、
奥さんにしじみ汁があるか聞いたら、「メニューにはないけどご馳走しますね」とお椀にいっぱいのしじみ汁を持って来てくれた。初めて食べたけど、薄味ですごくいい味。ミックは貝類はあまり好んで食べないのだけど、しじみ汁はごくごく飲んでた^^すっかり満腹になってお会計をしようとした頃、ご主人とも話す機会に恵まれた。聞くと、ご主人は40年程前に船と汽車でロシアからヨーロッパに行き、自転車でヨーロッパを旅したとか。そんな話を聞いたら、ミックの目がみるみる輝いてきた。今日はもう遅いので「明日また来ます!」と満面の笑顔でお別れ^^しじみ汁と飲み物をサービスして頂きました。くわむらのご主人と奥さん、美味しいお料理ありがとうございました!
7月7日(天塩で休日)
北海道に来て初めての快晴!今日は天塩を観光しようということで、朝から自転車を借りて町を探索。自然を愛する人にとって天塩は最高の町だといって間違いないと思う。北海道で2番目に大きい天塩川が町を囲んでいて、カヌーがさかんらしく、川のところどころにカヌー乗り場が設置されていた。川のほとりの公園は芝生一面が奇麗に敷かれている。その先には広々とした日本海が見える。町には美味しい食事処、カフェ、パンが安いコンビニ、スーパー、公園、温泉、生活に必要なものはすべて揃っ
夜はまたまた「くわむら」へ!ミックは我慢できず昨日と同じ、スペシャルとんかつを、私はショウガ焼き定食を頼んだ。これまた最高!今日は地元の人で賑わっていてとても忙しそう。こんないいお食事処で地元の仲間とわいわい食事するのは楽しいだろうなぁと思った。ミックが朝から100回くらい「天塩に住まない!?」と聞いてくるのも頷ける。私も夏だけならいいかな~なんて考え始めたり。。今日はご主人のヨーロッパ旅行の話やアメリカにいたときの話を聞くことが出来た。もともとはカメラマンになりたくてお皿洗いをしながら世界を旅してたらしい。私たちとしてはご主人がカメラマンではなく「くわむら」のご主人でいてくれてラッキーだったのですが^^40年前のヨーロッパの写真、ぜひ見たかったなぁ。今日の食事は、ご主人と奥さんからサービスということでご馳走になりました。「これぐらいしか助けてあげられないから」と奥さん。二人の優しさにただただ感謝です。ミックは帰る時涙ぐんでました。(笑)やっぱり天塩いいな~。
7月8日(天塩~遠別)
曇り。昨日の夢のような一日とはうって代わって今日も辛い竹馬行脚が始まった。今日の目的地は18キロ程先の遠別町。道路はずっと一本道で周りは農場ばかり。しかも道路が舗装されていなくて歩きにくい。今までで一番
7月9日(遠別~初山別)
曇り。朝ごはんに下に降りると、これまた素晴らしい朝食が用意されていた。女将さん手作りの厚焼き玉子と煮豆は、遠別の名産として札幌の東急デパート
途中黄色い花が一面に咲いている風景を発見。近くで見るとその花はタンポポだった。ただの雑草なのに集まるとこんなに綺麗になるから不
7月10日(初山別)
雨。ぽたぽたと雨がテントに落ちる音がする。今日も雨。。朝から気が滅入った。この間大雨のなか歩いて竹馬がダメージを受けたので、雨の日に歩くのは止めようと決めた。今日はどうやら一日雨のようなので、このままここにステイすることに。テントで本を読んでいるとテントの中にまで雨が落ちてきた。寒いし濡れるし最悪。。お昼ころに我慢出来なくなり、隣の温泉に行くことに。休憩所があるので今日は一日ここで過ごそう。本を読んだり日記を書いたり温泉に入ったり、結構ゆっくりできてかえって良かったかも。一日休んでしまったので、明日は今日の分も歩くということにした。また25キロ。がんばろ。。
7月11日(初山別~羽幌)
曇り。今日は地獄の25キロ。一昨日の反省を振り返り、今日はポジティブに行くぞ!時間管理は私が行うということで時計を預けられた。少なくとも10キロは午前中に終わらせねば!とりあえず30分はどんなに辛くても歩き続けるということを心に誓い出発。疲れたな~もう10分位経ったかな~と思いちらっと時計をみるとまだ3分位しかたってない。あれぇまだこれしか経ってないの!?時計を持たずに歩いていた時は、いったい自分がどれ位歩いたか検討がつかず、きっともう40分位歩いたよなぁ
7月12日
快晴!今日は利尻島がばっちり見えて気持ちのいい朝だった。朝ごはんを食べてそれから海鳥センターに行って天売島の海鳥のことを少しだけ知ることが出来た。天売島にはたくさんの海鳥がやってくるが、その中には絶滅を危惧されている海鳥もたくさんいるのだとか。サロベツ原野からずっと歩いて来る間、ワシや渡り鳥やウミネコ、色んな鳥を見ることが出来たが、この光景がいつか見られなくなるのかもしれないと思うとやっぱり今人間に出来ることをしなくてはいけないと思った。北海道の人たちは細かいゴミの分別や、風力発電、太陽発電を利用したり、プラスチックバックの有料化を徹底するなど、特に環境に気を配っている様子があちらこちらで見られた。自然と一緒に生きるという心がここには残っているんだと思った。それから、苫前町まで約7キロ。途中で車が止まったかと思うと、女の子が2人降りてきた。「新聞で見て会いたかったんです~」と。私たちの記事を見てとっても勇気づけられた、と話してくれたチエコさん。私たちこそそういう言葉に支えられてこの旅を続けていられるのだと思う。ありがとう!
今日は珍しくお天気で、夕日が天売島と焼尻島の間に落ちる様子をみることが出来た。北海道、やっぱり最高!
7月13日(羽幌~鬼鹿)
雨。またしても雨。北海道に梅雨がないと言ったのは誰?!今日は休むわけには行かないので、竹馬をサランラップで巻いて木の部分はガムテープで覆い雨対策。歩いている途中で7月4日に出たラジオ、ノースウェーブのスタッフの人に偶然会った。そういえば、今までは「新聞見ました!」という人が多かったけど、この辺あたりから「ラジオ聞きましたよ!」っていう人が増えて来た。メディアの力は本当にすごいな。しばらく歩くと雨がどんどん大降りになってきた。今日は旅始って以来最悪の天候だ~とりあえずバス停で雨が止むの待とうと雨宿りをしていた。ミックがここはどこかとサインを探しに行った。なんだかミック誰かと話している声がするけど、雨が降っているし疲れているしで腰を上げる気にもならない。するとバス停に、おじいちゃん、おばあちゃんと若いお兄さんがやってきた。「新聞で見ていつくるかと思ってたんだよ。こんな雨の中大変でしょう」と朗らかな笑顔。ちょっと元気が出た。「今ちょうどウニ洗ってるんだよ。来る?」とおばあちゃん。興味をひかれおばあちゃんとお兄さんの行くほうへ着いていった。今日の朝取ってきたばかりのウニを割って洗ったものがこんもりとある。「こっちがバフンウニであっちがムラサキウニだよ。食べてみなさい。」と手にとってくれた。ウニが大好物な私には夢みたい!これほど新鮮なウニ
7月14日(鬼鹿~小平)
7月15日(小平)
雨。バンガロー借りてよかった。今日は一日ここで休むことに。ミックも私も体中疲労してるのでちょうど良かった。スーパーまで買い物に行って帰る途中、また大雨に降られてびちょびちょ。2人ともすっかり不機嫌になり、お風呂に入ろうとゆったりかんへ行くと昨日のスタッフの方が来て、「今日は私たちからサービスです。ゆっくりお風呂に入って下さい」と入浴券とタオルをくれた。なんて優しいんだろう!この旅では本当にいろんな人に優しさをもらってるから続けていられるんだと思う。そのことを毎日忘れないでいようと思う。
posted by Mick and Miki Tan @ 0:14,
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