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竹馬をやめたくなった日

この旅を始める前にミックの働く高校の生徒が私達のチャレンジについて取材をし、ドキュメンタリービデオを作成してくれた。その時の生徒の一人が、こんな質問をしたのを私は今でもよく思い出す。
「このチャレンジをやろうと決めてから今まで、やっぱり無理だ、諦めようと思ったことはないんですか?」
この質問に対する答えはNoだった。こんな無謀なチャレンジを計画してしまい、始めたくないな~とか、不安だな~とかは常に思っていたけど、不思議と「じゃ、やめよ」と考えたことはなかった。それは旅を出発してからも同じで、辛いことや苦しいことの連続だけど「もう諦めたい。無理だ」と思ったことはなかった。

―――兵庫県に入るまでは。。。
(でも決して兵庫県が嫌だったとか、そういう意味ではないので誤解しないでください(汗))

原因としては、
1:今までずっと日本海側の静かな海の見える道から、太平洋側の車通りの多い国道に移ったこと
2:日本海側の道は交通量も少なく、人とのふれあいも多かったが、
  太平洋側に移ってから交通量の多い道を歩いていたこともあって、地元の人と話す機会が減った
3:兵庫県を歩いている間大阪の姉の家を拠点にしていたので、暖かい家庭の味をしめてしまって
  旅をやめたくなった
4:これ最大の原因。ミックとの喧嘩が増発したこと
  (おそらく上記3つのことが原因でストレスがたまっていたのだと思う)

兵庫県に入って、私もミックも2回ずつ派手に転んだ。重い荷物を背負ってるから一度転がったら自分では止まれない。私は人どおりの多い交差点で、顔から転がり落ちてしまった。転んだ時はすべて2人が言い合いをしていて歩きに集中していなかった時だ。
ネガティブな思考が重なりに重なって、私はついに爆発した。ミックにも八つ当たりしまくり、
「もうヤダ!もうどうしてこんなバカげたことしてるか理由が分からなくなった」
と泣きじゃくった。ついには竹馬で歩く気にもならず、竹馬を降りて歩き始めた。ミックはミックで私の行動にあきれ果てて、
「もう諦めて電車で帰れば?誰も実希がここまでこれると思ってなかったから今家に帰ったってだれも責めないよ」
と言い放った。私は何もかもムカついて、呼吸するのも苦しくなるほど頭に来ていた。
私達を見ているすべての歩行者が私達をあざけ笑っているように見えた。
家に帰ればと言ったミックが私を馬鹿にして軽蔑しているように見えた。

なんで竹馬なんて馬鹿げたことやってるの?
こんなに辛いことしていったい何が得られるの?
なんで?どうして?わからない。目的を失ってしまった。

そして色んな考えが頭を駆け巡った。
今電車で帰ったら楽だろうな~
家に帰ったらきっとみんなびっくりするだろうな~
責められはしないけど壊れものを扱うみたいにされるんだろうな~
ここで諦めたら今までサポートしてくれた人たちはどんな顔するんだろ?
何年後かに自分のことどう思うんだろ?
だいたいミックが優しく慰めてくれたらこんなに意地はんなくてすんだんだよ!
ばーかばーか!
いや、でもあれはちょっと子供じみてたな。自分もあんなことやられたらもっと怒ってただろうな。
でもいまさら謝るのもやだし。。

今までどんなに苦しくてもミックがいたから何とかやってこれたのに、今回はその最大の味方を敵に回してしまったことに気づいた。どうしよう。一日悩んで次の日平謝り。なんとか一件落着でことがおさまり、味方を取り戻した私。

すると、昨日とは世界がまったく違く見えた。笑いかけてくれる人が優しく見えた。歩道が少し広くなっただけで嬉しくなった。自分のほんの少しの感じ方でこんなに世界が変わるなんて本当に驚きだ。

とにかく私の初めての竹馬挫折の危機をなんとか乗り越えた。あ~良かった!

↓雨の姫路城。紅葉もきれいで素晴らしかったです。

posted by Mick and Miki Tan @ 22:34,

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