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下関の講演会

昨日12月10日、下関市民活動センターで初の講演をやらせてもらった。集まった人数は約50人、講演時間は約1時間、そして集まった募金金額はなんと35458円!
正直言って、この講演が始まる前はみんなが私達の話をどういう風にとらえるのか、私たちの活動の理由がちゃんと伝わるのか不安だった。しかも流すはずだったビデオとスライドショーがプロジェクターの不具合で出来なくなり、私達の話だけで退屈してしまうのではないかと心配した。でも話し始めて、うなずきながら真剣に話を聞いてくれる皆さんの顔をみたら、そんな心配は全く無用だということがすぐに分かった。しかもその会場に親子で来てくれていた方がいたのだが、その3人のお子さんが私達のチャレンジを知ってあるアクションを起こしてくれたのだ。
その子達は以前何年かシンガポールに住んでいたことがある。ボルネオ島にも何度か行ったことがあり、森に起こっている現状を目の当たりにしてきた。でも、何かしなければと思いつつも何をすればいいか考え付かず、次の行動に移すことが出来なかった。そんな時に私達の活動を知った。そこでこの子達は3人で相談し、オランウータンの森を救うための募金を集める方法がないかを考えた。でもこの子達はまだ子供でお金を持っていない。どうしたら募金ができるだろう?一生懸命考えた結果、お家で電気を節約することにした。電気をまめに消す、コンセントを抜く、お父さんに朝風呂をやめてもらう、そんな風にして節約した分の電気代の差額をこの募金にあてようというのだ。
なんてすごい子達だろうと思った。きちんと問題に直面して話し合って少しずつ解決しようとする、言うのは簡単だけど、実行に移すのは大人でも難しい。ミックは感動して涙ぐんでいた。私はこの子達を心から尊敬する。この活動を通じて出会えたことに本当に感謝している。
この講演の最後に、オランウータンがどんなに人間に近いか、ということを示す実際に起こった話を紹介した。せっかくなのでここでも紹介します。

それはボルネオ島に住む、ある女子大生に起こったお話です。
その女子大生は、オランウータンのことについて研究をする生徒でした。彼女はあるオスのオランウータンの生態を観察しようと。1か月森にかよっていました。しかしオランウータンは高い木の上で生活しているため、実際にそのオランウータンの顔を見ることは出来ず、いつもその影を追って歩いて回りました。その間オスのオランウータンは彼女に興味を示すことはなく、地上に近づくこともありませんでした。
一か月たったある日、彼女はいつものように森に入りました。するとそこには予期せぬ出来事が待ち構えていたのです。まっていたのはオランウータンではなく、2人の森林を伐採して働く労働者でした。2人はこの女の子が森で1人でいるのをみつけ、こともあろうかこの子を襲おうとしたのです。女の子は叫びながら逃げ回りました。しかし2人の男にはかないません。すぐにつかまってしまい、もうダメだと思った瞬間森の上から大きな音が聞こえました。彼女が顔をあげると、そこにはオスのオランウータンが立っていたのです。オランウータンは2人の男を威嚇すると、男たちは逃げていってしまいました。その後、彼女が森をでて安全な場所へたどりつくまで、オランウータンは彼女の後を木の上からついてきたそうです。

きっとこのオランウータンは、1か月自分について回っている女の子が危機にさらされているということがわかったのだろう。だから1か月間一度も木の上から降りてこなかったのに、彼女を助けるために地上におりて、彼女を安全な場所まで送り出したのだと思う。

私は、オランウータンは人間と同じように、喜びも悲しみも感じることのできる動物だと思う。だから彼らの目の前で、ただ静かに自分たちのすみかが破壊されていくのを見ることしか出来ない、その気持ちを考えると胸が締め付けられる。
オランウータンに残された時間はあと少し。それまで私は少なくとも傍観者ではなく、自分に出来ることをし続ける人間でありたいと思う。

最後に、下関市民活動センターで私達の話を聞いて下さった皆さん、そして手配をして下さった井上さん、畑山さん、本当に本当にありがとうございました!

posted by Mick and Miki Tan @ 15:26,

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