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竹馬行脚、最後の日

今日は佐田岬まで約20キロ。報道関係の人には2時から3時の間にゴール予定と伝えたのでその時間に間に合わせるように歩かなくてはいけない。昨日古賀さん達から相当きついと聞いていたので、朝の6時に起きて出発の準備をした。高橋さんがカメラを持って撮影している。私は朝はめちゃめちゃ弱いのだけど、今日は5時に目が覚めていたので意外とすっきりとした気分だった。まだ暗い中、3人で朝ご飯を食べた。昨日買ったパンとポンカン。ミックの竹馬のゴムを張り替え、7時半に伊座敷を出発。昨日の風がまだ収まらず、今日もかなりの強風。そしてスタートしてから4キロ位ずーっと上り坂。なるほど、、これは辛いなぁ~(涙)でも足のコンディションも良く、1時間半ほどで4キロ上った。そこから下を見ると、今朝出発した町が小さく見えた。こんなに登ってきたんだ!
そしてまた再開。橋を渡って谷に入ったところでものすごい強風が吹いた。二人とも吹き飛ばされそうになった。これ、今までで最強に強い風かも。しかもこの上り坂。最後にふさわしい試練だね~と二人で言いながら歩いた。大泊の料金所の手前に着いたのが11時ころ。ここで古賀さんとまさみさんが待っていてくれた。みんなでお昼を食べてまた再開。
料金所から道が二手にわかれるのだが、左側はかなり山道がハードだけど短い(5キロ)コース。右側はゆるやかな山道だが長い(8キロ)のコース。さぁどっちを取る!?悩んだ結果、右側の超ハードコースを選択。古賀さんから、
「ここからが富士山か!?ってくらい上り辛いから頑張ってね~」
と言ってニヤリと笑った。私たちも笑って、最後の峠に覚悟を決めた。ここからが本当の勝負。冗談抜きで今までの山道で一番辛い上り坂だった。ミックの頑張れ!という言葉が何度も聞こえた。はじめの頃は「今でも十分頑張っているのにこれ以上頑張れないよ~」と卑屈に感じたこともあったが、今日は素直にありがたかった。思えば北海道から九州からの道のり約3000キロを歩き続けてこれたのは、ミックがいつも私を元気づけてくれて、笑わせてくれて、辛い時もいつも一緒にいてくれたからだ。ムカついたこともたくさんあったけれど、今日この日を一緒に笑顔で迎えられたことを本当に嬉しく思う。
途中、横風が激しすぎて竹馬ごと横に吹き飛ばされた。自分の足でも立っているのが難しかった約100mの間、応援にきてくれた古賀さんがキャンパーバンで並走して風を防いでくれた。その間、竹馬で降りて歩くことも出来たがそれはしたくなかった。今日は風が吹いてもどんなに坂がきつくても歩道がなくて大型トラックが通っても、絶対に竹馬で歩き続けようと2人で決めた。だからずっとミックと励ましあいながら、笑いあいながら最後の20キロを歩き続けた。そしてその気持ちを尊重して全力で助けてくれた古賀さんご夫婦や、メディアの方たちに心から感謝したい。あと3キロ、あと1キロ、あと500m、あと100m、あと10歩。みんなにもう少し、もう少しと応援されながらゴールへの道を一歩一歩。ミックと「あと少しで終わりだね。さみしいね。。」と少しペースを落として歩く。佐田岬料金所の手前の駐車場が見えてきた。そしてその先には3日前にお世話になった野村さんがお花を持って手を振っていた。ミックと私、同時に「野村さん!!」と叫んだ。そしてそこからどうやってゴールに辿り着いたのかは覚えていない。夢中で野村さんのところまで行っていつの間にかそこでミックと野村さんと方を抱き合っていた。野村さんはあれから私たちのことが気になってしょうがなくて今日もここでお花を用意して待っていてくれたのだ!たった一日しか一緒にいなかったのに、まるでご自分の孫の様に私たちのことを心配してくれて待ってていてくれた野村さん、本当に感動しました。ありがとうございました!
そのあと、私たちは料金所を越えてほんとのほんとの最南端に向かった。報道陣の方も古賀さんとまさみさん、野村さんも着いてきてくれた。道が狭く、転んだら山か海というところだったのでみんな心配して先を歩いてくれた。
佐多岬の最南端に到着したのは2時30頃。ミックと顔を見合せたが、なんだか実感が湧かない。
ここが佐田岬、日本列島の最南端。今までの189日と3000キロの私たちの旅がついに終わった。
応援団の皆さんと報道陣の皆さんとひとまず「ヤッター!」と喜んでいると、その先になんと!富山で会った人力車カップルの祥平君と水帆ちゃんが岩の陰から顔をだしているじゃないか!この時ほど驚いた時はないかもしれない。私は
「え~~っっ!!!?なんでここにいるの!!!?」と叫んだ。二人はダーっと走ってきて白いシーツを広げた。それは祥平君と水帆ちゃんと、今二人がお世話になっている長崎のご家族が作ってくれたゴールののぼりだった。昨日徹夜で作ってくれたらしい。ちょっと泣きそうになったがぐっとこらえた。この間あった時も思ったけど、なんて粋な二人。自分たちも旅中なのにここまで来てくれるなんて。本当に嬉しかったし、この時「あ、私たちゴールしたんだ」と実感した。
2日前に買っておいたシャンパンをその場で開けて、ネッピー館でもらった湯呑でその場にいる人達と回し飲みした。
そこにいたのは報道陣の皆さんと応援団の古賀さん、まさみさん、野村さん、山下さんご夫婦(わくわく太郎先生のお知り合いで応援に駆けつけてくれました!)、祥平君&水帆ちゃん。一昨日までは、2人きりでゴールするのかと思っていたのにこんなに集まってくれるなんて嘘みたい。
そしてひとしきり取材と写真撮影が終わり、駐車場に行ってしばらく話している間に、中所さんファミリーが到着!中所さんはラジオの収録を終えて、宮崎市から佐田岬までの道をぶっとばして来てくれたのだ。車には中所さんのお母さん、妹さんファミリーのさとこちゃん、しんごくん、くれあちゃん、まなとくんも乗っていた。宮崎県最後の時に会った時以来、ずっとまた会いたいと思っていたこのご家族が最後のこの場所に来てくれた。なんだか夢を見ているみたい。
1月5日、14時30分 佐多岬ゴール。7月1日に北海道宗谷岬を出発してから、3000キロの道のりをたくさんの人に支えられてここまで来た。この旅を始める前は、日本人であることにそこまで誇りを持っていなかった。この旅を始める前は、日本がこんなに素晴らしい国だと思っていなかった。でも、この6か月ですべてが変わった。今なら私は日本は素晴らしく暖かい人々で溢れている国だと、胸を張って言える。このチャレンジのきっかけを作ってくれたミックに、今まで支えてくれた家族や友達に、そしてこの旅で出会ったすべてのひとに感謝して、この竹馬日本縦断の旅を終りにしよう。今まで本当に、本当にありがとうございました!

posted by Mick and Miki Tan @ 6:20,

2 Comments:

At 2010年1月28日 23:17, Anonymous 新倉敷であった渡辺夫婦より said...

遅ればせながら、ゴールおめでとうございます◎ ワーイワーイ!
そして溢れる力、人と人との出会い、こぼれる笑顔に
感動しありがとうと言いたいです。

二人とひょっこり出会えたこと。
夕日に消えていく二人の後姿に私たちのほうがエールを貰ったこと。
本当にあのひと時が今の私たちの力となっていること。

声を大にして「ありがとう」「おめでとう」

 
At 2010年2月4日 20:43, Anonymous みき&みっく said...

渡辺さん
コメントありがとうございます!あの時見せてくれたさわやかな笑顔、今でもはっきり思い出します。竹馬の調子が悪くて落ち込んでいた二人に元気をくれたのは渡辺さんご夫婦です。こちらこそ本当にありがとうございました!

 

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